吉武博文監督とは　日本らしいサッカーへの変革がもたらすものは何か考えてみた　

深夜にふと目が覚め、トイレに行く時になんとなくつけたテレビ。
そこには、日本代表のユニホームをまとった青年達がサッカーをしていました。
それは１９９６年代で構成された９６ジャパンの試合でした。

少し見てみるかーとテレビの前で腰を据えると、
ある異変に気づいた。

ん？
A代表より遥かに面白い・・・

試合が終わり、９６ジャパンについて調べてみると、吉武博文という方が監督をされているということがわかりました。

そこで今回は、吉武博文さんついて書いていきたいと思います。

吉武博文監督のプロフィール・指導歴

生年月日　1960年6月8日
大分県出身の日本のサッカー指導者。日本サッカー協会公認S級コーチ。元中学校教諭。

大分市立明野中学校
1985年 全国中学校サッカー大会：優勝
1995年 – 1996年 大分市トレセン コーチ
1996年 – 2006年 大分トリニータU-15 コーチ
1996年 – 2001年 大分県トレセン コーチ
2005年 – 2006年 JFAエリートプログラムU-14 コーチ
2006年 U-18日本代表 監督 仙台カップ国際ユースサッカー大会2006：3位
2007年 – 2008年 JFAエリートプログラム 監督
2008年 U-14日本選抜 コーチ
2009年 – 2011年 U-15/U-16/U-17日本代表監督 AFC U-16選手権2010：ベスト4
2011 FIFA U-17ワールドカップ：ベスト8
2011年 – 現在 U-15/U-16日本代表 監督 AFC U-16選手権2012：準優勝
wikipediaより

最初は中学校の先生をなされていて、
大分での活躍が認められて、代表監督まで登りつめたようですね。

ちなみに
大分トリニータU-15に所属していた当時中３の清武をコーチとして指導していたこともあるそうです。

もう少し遡ってみると、大分市立明野中学校サッカー部監督時代に永井秀樹や三浦淳宏らを指導していたようで、

三浦淳宏氏は吉武博文監督の指導に関して、

「僕のFKは先生からスタートしている。僕の筋肉なら、巻いて蹴るより、直線的な蹴り方の方がいいって教えてくれた」

とインタビューで答えています。

三浦淳宏のえげつないＦＫを知らないという方はこちらをどうぞ。
http://youtu.be/MOVa5O8Ptd8
この距離から、このスピードで、このブレ方で蹴れる人はなかなかいないですよねー

当時小６の三浦淳宏氏は、対戦相手から「これ以上伸びない」と言われ、
やめようかと考えたことがあったそうで、

先生であった吉武監督は、「淳宏は絶対に日本代表になれる」と言葉をかけたそうです。

吉武監督は技術的な手腕もさることながら、先生という経験を生かし、
選手のメンタルケアという部分でも非常に長けた監督であることが伺えますね。

吉武博文監督が目指しているであろうサッカー

私が見た９６ジャパンの試合では、
ワンタッチ、ツータッチくらいでボールをポンポンさばきながらボールを保持し、

相手が少しでもスペースを開けると、
しっかり縦パスがポンと入ったり、ペナルティーエリア内の選手にボールが入っていた。

ボールを受ける側も機を見計らって、相手陣内に飛び出すような動きをする選手が多かったように思います。


まるでチームのほとんどが香川で構成されているのかと錯覚するかのようなショートパスの嵐。相手チームは圧倒され、足をつらせている選手が目に付きました。

日本人のストロングポイントと言われている
足元の技術、献身的なプレーに加えて、ポジションを固定しない流動的なポジションチェンジを行っていたところからも、

吉武監督は、日本人が世界で戦うために、ということを意識しながら、
戦術を組み立てているように感じました。

パスサッカーは個の犠牲？

日本人は外国人のような屈強なボディバランスを持ち合わせていない。
だから日本代表がパスサッカーを目指していくという方向性は間違っていないでしょう。

しかし、パスサッカーは組織としてショートパスが求められるため、
選手個人の力を潰してしまうのではないかという懸念材料があることも
また事実でしょう。

若い頃からこのような戦術を取ることで、各選手が海外のチームへ移籍した場合、そのチームで求められる「個の力」に対応していくことができるのだろうか？



海外のチームに所属する選手の多くは、どうしても自分が結果を残してやるんだーという

ハングリー精神を持っているため、いざ、日本人がそのチームに加わったとしても、

自分たちの長所である、ワンタッチ、ツータッチのパス交換ができず、本来の実力が発揮できないという問題を抱えてしまうかもしれません。



つまり何がいいたいかというと、



パスサッカーを若いうちから極めるということは、

日本代表としては、強いけれど、
個の選手としては、目立った選手がいないなあという状況が生まれてしまう可能性があるということです。



世界屈指の強豪、バルセロナでも下部組織からパスサッカーが叩き込まれていますが、

バルセロナを離れて、他のクラブに移籍した選手は、あまり成功していないように思います。（バルセロナのトップチームの成功に比べて）

実際、９６ジャパンの試合を見ていて、交代選手がすぐに試合に馴染んではいたが、格別に上手だった選手は？というと見当たらなかったように思います。

吉武監督の指導した選手が今後どのような活躍を見せてくれるのか楽しみであり、不安でもあります。

ただ、何かを変革するときには、必ずメリット、デメリットがあると思うので、
より良い日本代表を作り上げるために、頑張って欲しいなあと思います。